『衛生管理委員会』っていう言葉が出てきたんだ。
掃除係がなにか関係あんの?
簡単に言えば、健康で安全に働けるような職場作り担当なのでごサル。
どんな会社でも働いている人が50人以上いるなら、必要なのでごサル。
その委員会の人って、ストレスチェックにどうかかわってくるの?
その都度決めていくのではなく、最初に全ての取り決めを決めておかなければ上手くいくものもいかなくなるのでごサル。
大切で大変な役割なのでごサル。
でも俺は苦手なんだよね…ウキー…
腕の見せ所なのでごサル。
同じ会社で働くみんなのためだもんね。
カッコいいなー。
衛生管理委員会とは
衛生管理委員会とは、ストレスチェック制度とは別に労働安全衛生法で定められている委員会です。
事業者は、業種を問わず、常時50人以上の従業員を使用する事業場ごとに衛生管理委員会を設置しなければならないと定められています。
衛生管理委員会は、衛生管理者・産業医・総括安全衛生管理者または事業の実施を総括管理する者・衛生に関して経験を有する労働者で構成されています。
衛生管理委員会では、労働者の健康障害を防止するための対策や健康増進を図るための対策、労働災害の衛生に関わるものにおいての再発防止策などを検討し、推進していく役割があります。
ストレスチェク制度に関する衛生管理委員会の役割
ストレスチェック制度における衛生管理委員会は、とても重要な役割を担っています。
まずストレスチェックを実施する前の準備段階において、事業者が衛生管理委員会で表明したストレスチェックの方針が適切であるか、ストレスチェックの実施に関わる様々な体制や決定項目に関して調査審議をします。
そして、調査審議の結果をもとに、事業者が社内規定でストレスチェックについて定めます。
また実施後は、方法や実施状況、受検状況を踏まえて、改善点などを調査審議し、次回のストレスチェック実施に反映できるように検討します。
衛生管理委員会が審議する項目
衛生管理委員会で審議する項目は多岐にわたります。
- ストレスチェック制度の目的など従業員に対しての方針の表明の方法
- 実施体制
- ストレスチェックの実施方法
- 結果に基づく集計や集団分析の方法
- 受検の有無に関する情報の取り扱い
- 結果の保存
そして、ストレスチェックや高ストレス者への面談指導、集団分析について結果の利用目的や方法、情報の取り扱い方法とクレームがあったときの対応・処理方法、
従業員がストレスチェックに関連して何ら不利益を被ることがないよう防止する取り決めをします。
実施方法の検討と決定
ストレスチェック制度に関して、衛生管理委員会で審議・検討されたは後、ストレスチェックの実施方法について具体的に検討していきます。
ストレスチェック実施者の選任
会社や事業者が直接、従業員に対してストレスチェックを実施することは法律で禁止されています。
そのため、ストレスチェックを実施するのは、産業医や保健師など資格を持っている者が望ましいとされています。
事業場の産業医を実施者に任命するのが一番望ましいとされていますが、その産業医が今後の高ストレス者の面談指導等をフォローできるかなども慎重に検討する必要があります。
ストレスチェックをすべて外部機関に委託することもできますが、高ストレス者の面談指導など今後のフォローなどを考えると、外部機関に委託する場合は、事業場の産業医や保健師が共同実施者となるなど工夫が必要です。
ストレスチェック実施者の決定には、実施後のフォロー体制を見据えて検討していくべきと言えます。
ストレスチェック実施の時期と実施頻度
実施者を決定した後は、時期を決定します。
第1回目のストレスチェックは、2016年11月30日までに実施することが義務づけられています。
定期の健康診断と同時に実施することも可能ですが、ストレスチェックの質問票が定期健康診断の問診票と区別がつきにくかったり、従業員の混乱を招く要因にもなりかねませんので、できるだけ異なる実施日を設けるのが賢明と言えます。
しかし、事業場の状況等で定期健康診断と同時に実施する場合は、ストレスチェックと定期健康診断がきっちり区別がつくように、事前に従業員に繰り返し周知することが大切です。
また第1回実施後も、1年に最低1回はストレスチェックの実施が義務付けられていますので、毎年いつ頃実施するのかを決定しておきましょう。
時期を考慮するうえで最も仕事が忙しく、ストレスがたまりやすくなると言われている繁忙期が年に数回ある場合等は、そういった時期にストレスチェックを実施し、メンタルヘルスの不調を防止するのもおすすめです。
ストレスチェックの質問票の内容
ストレスチェックの質問票の内容を検討します。
厚生労働省が推奨している「職業性ストレス簡易調査票」の使用が一般的です。
高ストレス者の判定基準の決定
結果から、高ストレス者を選定し、面談指導につなげる必要があります。
その高ストレス者と選定するのは、産業医や保健師ですが、高ストレス者と一般的に選定するのか、基準を定めておく必要があります。
衛生管理委員会などで産業医などの意見を基に決定します。
ストレスチェックに関する従業員の窓口
ストレスチェック実施に関して、従業員から問い合わせなどがあった場合や、高ストレス者と選定された従業員からの面談指導の問い合わせなどを対応する窓口が必要です。
一般的には、事業場の健康管理室や健康推進室など保健師や産業看護師であることが望ましいとされています。
ストレスチェック結果の保存方法
ストレスチェック実施後の結果の保存方法を検討します。
ストレスチェックの結果は、個人情報保護の観点からも厳重に保存する必要があります。
産業医や保健師などの実施者や、保健師や産業保健師などの実施事務従事者が、事業場内の鍵のかかる棚などで保存します。
事業場内の健康管理室や健康推進室などが望ましいでしょう。
集団分析の方法
ストレスチェック実施後、集団分析は実施者が行います。
その集団分析の方法を、産業医を中心に事前に決定しておきます。
外部機関に委託する場合は、外部機関の選定をする
外部機関に委託する場合は、外部機関の選定をします。
外部機関は、引き受けてくれる機関であればどこでも良いわけではなく、きちんと外部機関のストレスチェック制度の実施体制を確認し、検討する必要があります。
特に確認しておきたいのは、ストレスチェック実施後のフォロー体制であったり、ストレスチェックの結果などの個人情報の取り扱いです。
産業医が、事業場にいない場合は、どのように面談指導などをフォローしてくれるのかなど、きちんとチェックしておく必要があります。
ただ委託するといえども、ストレスチェックに関してすべてを委託するのは問題です。
外部機関と協力して、職場のメンタルヘルス対策に取り組めるような体制を築けるように審議しておきましょう。